< 詩篇 73 >

1 アサフの歌 神は正しい者にむかい、心の清い者にむかって、まことに恵みふかい。 2 しかし、わたしは、わたしの足がつまずくばかり、わたしの歩みがすべるばかりであった。 3 これはわたしが、悪しき者の栄えるのを見て、その高ぶる者をねたんだからである。 4 彼らには苦しみがなく、その身はすこやかで、つやがあり、 5 ほかの人々のように悩むことがなく、ほかの人々のように打たれることはない。 6 それゆえ高慢は彼らの首飾となり、暴力は衣のように彼らをおおっている。 7 彼らは肥え太って、その目はとびいで、その心は愚かな思いに満ちあふれている。 8 彼らはあざけり、悪意をもって語り、高ぶって、しえたげを語る。 9 彼らはその口を天にさからって置き、その舌は地をあるきまわる。 10 それゆえ民は心を変えて彼らをほめたたえ、彼らのうちにあやまちを認めない。 11 彼らは言う、「神はどうして知り得ようか、いと高き者に知識があろうか」と。 12 見よ、これらは悪しき者であるのに、常に安らかで、その富が増し加わる。 13 まことに、わたしはいたずらに心をきよめ、罪を犯すことなく手を洗った。 14 わたしはひねもす打たれ、朝ごとに懲しめをうけた。 15 もしわたしが「このような事を語ろう」と言ったなら、わたしはあなたの子らの代を誤らせたであろう。 16 しかし、わたしがこれを知ろうと思いめぐらしたとき、これはわたしにめんどうな仕事のように思われた。 17 わたしが神の聖所に行って、彼らの最後を悟り得たまではそうであった。 18 まことにあなたは彼らをなめらかな所に置き、彼らを滅びに陥らせられる。 19 なんと彼らはまたたくまに滅ぼされ、恐れをもって全く一掃されたことであろう。 20 あなたが目をさまして彼らの影をかろしめられるとき、彼らは夢みた人の目をさました時のようである。 21 わたしの魂が痛み、わたしの心が刺されたとき、 22 わたしは愚かで悟りがなく、あなたに対しては獣のようであった。 23 けれどもわたしは常にあなたと共にあり、あなたはわたしの右の手を保たれる。 24 あなたはさとしをもってわたしを導き、その後わたしを受けて栄光にあずからせられる。 25 わたしはあなたのほかに、だれを天にもち得よう。地にはあなたのほかに慕うものはない。 26 わが身とわが心とは衰える。しかし神はとこしえにわが心の力、わが嗣業である。 27 見よ、あなたに遠い者は滅びる。あなたは、あなたにそむく者を滅ぼされる。 28 しかし神に近くあることはわたしに良いことである。わたしは主なる神をわが避け所として、あなたのもろもろのみわざを宣べ伝えるであろう。

< 詩篇 73 >